2018年9月、東京大学物性研究所の竹山正二郎教授らの研究チームは、屋内で生成された磁場としては「日本一」であり、世界最強となる1200テスラという驚異的な強さの磁場を発生させることに成功した。この記録は、研究チームが開発した「電磁濃縮法」という手法を用いた特殊な装置によって達成された。実験の際には、想定を大幅に上回る磁場が発生し、装置を収めていた鉄製の箱が破壊されるほどのエネルギーが解放されたという。この1200テスラという磁場は、医療で使われるMRIの数百倍の強さに相当する。この成果は、物質の新たな性質の解明や、未来のエネルギー源として期待される核融合炉の開発など、様々な科学技術分野に貢献する画期的なものなのである。