2016年、東京大学の研究チームが開発したヒューマノイドロボット「ケンゴロウ」は、実物大のヒューマノイドロボットとして連続5回の腕立て伏せに成功し、「日本一」の記録を樹立した。この挑戦は、単なるパフォーマンスではなく、ケンゴロウに搭載された革新的な冷却システムの性能を実証するために行われたものである。人間が汗をかいて体温を調節するように、ケンゴロウは、モーターから発生する熱を内部の金属フレームに浸透させた水が蒸発する際の気化熱を利用して冷却する。この腕立て伏せという高負荷な運動を連続して行うことで、その冷却システムの有効性を示した。この成果は、ロボットがより長時間、よりパワフルに活動するための「日本初」の画期的な技術として高く評価されているのである。