昭和を代表する大女優、田中絹代は、その生涯において241本もの映画で主演を務めた。この驚異的な本数は、日本の女優の中で最も多い主演作品数であり、「キャリアにおける最多主演映画数（女性）」としてギネス世界記録にも認定されている。1924年にデビューして以来、サイレント映画からトーキー、白黒からカラーへと、日本映画の変遷と共に歩み続け、様々な役柄を見事に演じきった。溝口健二や小津安二郎といった巨匠たちの作品にも数多く出演し、その卓越した演技力で国内外から高い評価を受けた。彼女が打ち立てたこの金字塔は、後進の女優たちが誰も破ることができていない、まさに「日本一」の偉大な記録である。