2011年9月9日、株式会社豊田自動織機の若手技術者たちで構成される「ドリームカープロジェクト」が、環境に優しい未来の乗り物の可能性を示す記録を達成した。彼らが開発した圧縮空気を動力源とする車両「KU:RIN（クーリン）」が、茨城県にある日本自動車研究所のテストコースで、時速129.2kmという「日本一」の速度を記録したのである。この記録は、ガソリンなどの化石燃料を一切使用せず、圧縮された空気の力だけでこれほどの高速走行を実現した点で画期的である。「日本初」の試みとして、若手技術者の自由な発想と情熱、そして確かな技術力が結実したこの成果は、次世代モビリティ開発に新たな一石を投じるものとなった。