「のんき節」などのヒットで知られる歌手で喜劇役者の石田一松が、1946年4月10日に行われた戦後初の衆議院議員総選挙において、東京都第1区から立候補し、見事当選を果たした。これは、芸能界で広く名を知られた人物、いわゆる「タレント」が国会議員となった、日本初のケースである。石田は、演説の合間に持ち歌を披露するなど、その知名度とユニークな選挙戦術で多くの支持を集めた。彼の当選は、戦後の新しい民主主義の時代において、大衆文化と政治が結びつく新たな潮流の幕開けを象徴する出来事として、日本の政治史に記録されている。