植物学者の保井コノが、1927年に東京帝国大学（現・東京大学）から理学博士の学位を授与された。これは、日本人女性が博士号を取得した日本初の事例であり、日本の学術史における金字塔である。当時は、女性の高等教育への道が極めて限られていた時代であり、彼女の快挙は、学問の世界における女性の地位向上のための大きな扉を開いた。保井は、「日本産石炭の植物学的研究」に関する独創的な研究でこの栄誉を勝ち取り、その不屈の研究精神と業績は、後進の女性科学者たちに計り知れない勇気と希望を与えた、先駆的なものであった。