和歌山県串本町に建設された「スペースポート紀伊」は、民間企業が主体となって建設・運営する、日本初の民間ロケット射場である。キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社が出資するスペースワン株式会社が、小型ロケット「カイロス」をここから打ち上げる。2019年11月に起工し、射点やロケット組立棟などの主要施設が整備された。これまで国の機関であるJAXAが担ってきた宇宙輸送サービスを、民間企業が商業ベースで行うという、日本の宇宙ビジネスにおける新たな時代の幕開けを象徴する施設である。まさに日本初の試みとして、宇宙産業の裾野を広げることが期待されている。