三井物産横浜ビルは、1911年（明治44年）に神奈川県横浜市に竣工した、日本初の全鉄筋コンクリート造のオフィスビルである。設計は、日本人建築家として初めて独立設計事務所を開いた遠藤於菟が手掛けた。このビルは、1923年の関東大震災においても倒壊を免れ、その強固さから、鉄筋コンクリート構造の耐震性を日本中に知らしめることとなった。日本の建築史において、耐火・耐震建築の重要性が認識されるきっかけを作った記念碑的な存在であり、全鉄筋コンクリート造のオフィスビルとしては、まさに日本一の歴史を持つ建物である。