2007年5月に山口県美祢市に開設された「美祢社会復帰促進センター」の記録である。この施設は、PFI（Private Finance Initiative）方式、すなわち民間の資金やノウハウを活用して公共施設を整備・運営する手法を用いて建設・運営されている、日本初の刑務所（矯正施設）である。国の刑務官は企画・立案や公権力の行使に専念し、施設の維持管理、食事の提供、職業訓練などの業務は、セコムや清水建設などからなる民間事業者が担当する。この「民活刑務所」の導入は、深刻化していた刑務所の過剰収容問題を解決し、より効率的で効果的な受刑者の社会復帰支援を目指す、日本の矯正行政における画期的な試みであった。