浅草花やしきは、1853年（嘉永6年）に江戸の町、現在の東京都台東区浅草に開園した、日本最古の遊園地である。その歴史は、造園師の森田六三郎が、牡丹や菊細工を主とした植物園「花屋敷」として開いたことに始まる。開園当初は遊具施設はなく、次第に動物の展示や見世物などが加わり、大衆的な娯楽の場へと発展していった。その170年以上にわたる歴史は、遊園地としては文句なしに日本一の古さを誇り、日本の遊園地の変遷そのものを体現する存在である。また、1953年に設置されたローラーコースターは国産初であり、現存する日本最古のジェットコースターとして、今なお多くの人々に親しまれている。江戸、明治、大正、昭和、平成、令和と、六つの時代をまたいで浅草の地で営業を続ける、まさに歴史の証人ともいえる遊園地である。