日本記録名
日本初の地下鉄車両
日本記録保持者名
東京地下鉄道1000形電車
日本記録数値
1927年12月30日
日本記録名(英語)
First subway car in Japan
日本記録保持者名(英語)
Tokyo Underground Railway 1000 series train
東京地下鉄道1000形電車は、1927年12月30日に日本初の地下鉄路線として開業した上野駅から浅草駅間で運行を開始した車両である。運営は東京地下鉄道株式会社が行い、この車両は日本の鉄道史において画期的な存在として知られている。当時主流であった木造車両ではなく、火災対策として車体の大部分を鋼鉄で製造した全鋼製車両を日本で初めて本格的に採用し、安全性を飛躍的に向上させた。さらに、トンネル内での衝突事故を防ぐため、信号が赤の場合に自動でブレーキがかかる自動列車停止装置(ATS)を日本で初めて導入した点も特筆される。車内設備においても乗客への配慮がなされ、手を離すと自動で元の位置に戻る「リコ式吊手」や間接照明を採用するなど快適性の追求も見られた。これらの先進的な設計と思想は、その後の日本の地下鉄車両の規範となり、鉄道技術の発展に大きく貢献した。その歴史的価値が認められ、2017年には鉄道車両として初めて国の重要文化財に指定された日本一歴史的に価値のある地下鉄車両である。