株式会社大林組が2022年3月に横浜市中区に完成させた自社の研修施設「Port Plus®（ポートプラス）」は、高さ44mの11階建てであり、主要構造部を木材のみで構成した純木造建築物としては日本一の高さを誇る。このビルは、柱や梁に同社が開発した耐火木材「オメガウッド（柱）」などを使用することで、3時間耐火性能を実現し、都市部での高層木造建築の可能性を大きく広げた。建設過程における二酸化炭素排出量を鉄骨造のビルに比べて約25%削減するなど、環境配慮と持続可能性を追求した点も特筆される。日本の建築技術の粋を集め、木材利用の新たな地平を切り開いたこの建物は、日本初の試みに満ちた画期的な建築物である。