海洋研究開発機構（JAMSTEC）が運用していた10000m級無人深海探査機「かいこう」が達成した日本記録である。1995年3月24日に、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵において、潜航深度10911.4メートルという、無人探査機としては日本一深い場所への到達を果たした。この潜航は当時、無人機として世界最深記録でもあり、日本の海洋科学技術の高さを世界に示した歴史的な快挙であった。「かいこう」は母船から遠隔操作されるビークル（子機）とランチャー（親機）で構成されており、この日本一の記録を達成した潜航では、世界で初めて水深1万メートルを超える深海底の生物の姿を鮮明な映像で捉えることにも成功し、深海研究の発展に大きく貢献したのである。