2019年12月20日に公開されたアニメ映画『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』が持つ、上映時間168分という日本一長いアニメーション映画の記録である。本作は、2016年に公開された『この世界の片隅に』に、原作のさらなるエピソードを盛り込み、主人公すずの新たな一面や人間関係を丹念に描き出した長尺版である。監督の片渕須直が、クラウドファンディングで集まった多くの支援者の想いに応え、一切の妥協なく制作に臨んだ結果、この上映時間が実現した。これは、商業映画の枠を超え、作品の芸術性を極限まで追求した結果生まれた、特筆すべき日本一の記録である。