2007年、愛媛大学の水上知行博士（当時、現在は東京大学准教授）らの研究グループは、愛媛県四国中央市の山中で採取した岩石から、日本で初めて天然のダイヤモンドを発見した。発見されたダイヤモンドは、直径わずか1マイクロメートル（1000分の1ミリ）と非常に微小なものであったが、これは日本の地質学における常識を覆す歴史的な発見であった。従来、ダイヤモンドは地質学的に古く、安定した大陸地殻でしか産出しないと考えられており、プレートが活動的で若い地質を持つ日本列島では存在しないとされてきた。この日本初の発見は、ダイヤモンドが形成される条件に関する新たな知見をもたらし、世界の地球科学界に大きなインパクトを与えた。