元労働官僚の高橋展子は、1980年にデンマーク駐箚特命全権大使に任命され、日本初の女性大使となった。大使は、一国を代表して相手国に駐在する外交使節団の長であり、外交官の最高位である。彼女は、労働省で婦人少年局長などを歴任し、女性の労働問題の専門家として活躍した後、この重責に抜擢された。山根敏子が日本初の女性外交官となってから30年、ついに大使という最高ポストに女性が就任したのである。彼女の任命は、日本の外交史において男女平等の実現に向けた画期的な一歩であり、国際社会における日本のイメージ向上にも貢献した。