（参考情報）終戦から23年経った年に川端康成がノーベル文学賞を受賞したことは、日本の文学が国際的に認められる一つの証であり、当時、国内は沸き立った。ノーベル委員会の選考過程において、川端の作品は「言葉の芸術」と評され、「繊細な感覚で日本人の本質を表現している」と賛辞を受ける。1899年に生まれた川端は、10歳までに父、母、姉が亡くなり、引き取って育ててくれた祖父母も15歳までにこの世を去り、身寄りのない孤児となった。