1912年に結成された波多野バンドが前身となり、1916年頃に結成された「ハタノ・オーケストラ」が、日本初の本格的なダンスバンドとされる記録である。リーダーの波多野福太郎らは、外国航路の客船で演奏活動を行う中で、当時最先端のジャズやダンス音楽を吸収。帰国後、横浜のダンスホールなどで演奏を始め、日本に新しい社交文化と音楽のスタイルをもたらした。これは、日本のジャズ史やポピュラー音楽史の幕開けを告げるまさに日本初の試みであり、その後の音楽シーンに大きな影響を与えたのである。