1987年に公開された映画『ラストエンペラー』で、音楽家・坂本龍一は、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞する栄誉に輝いた。授賞式は1988年に行われ、坂本はデヴィッド・バーン、蘇聡とともにこの賞を手にした。彼はこの映画で音楽を担当しただけでなく、満州国映画協会理事長の甘粕正彦役で俳優としても出演している。壮大で美しい劇中音楽は、映画の歴史的なスケールと登場人物の複雑な内面を見事に表現し、世界中から高い評価を受けた。イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）での活動で既に国際的な名声を得ていた坂本だが、この受賞により、映画音楽家としての地位も不動のものとした。これは、日本の音楽家が成し遂げた、日本初の歴史的な快挙である。