前畑秀子は、1936年にドイツのベルリンで開催された第11回オリンピック競技大会の競泳女子200m平泳ぎで優勝し、「日本人女性初のオリンピック金メダリスト」という不滅の金字塔を打ち立てた水泳選手である。和歌山県出身の彼女は、前回のロサンゼルス五輪では僅差で銀メダルに終わり、その悔しさをバネに4年間の猛練習を重ねてベルリンに臨んだ。決勝では、地元ドイツのライバル選手と壮絶なデッドヒートを繰り広げ、見事勝利を収めた。この時のNHK河西三省アナウンサーによる「前畑がんばれ！」の絶叫実況は、日本中の人々を熱狂させ、今なお語り継がれている。彼女の勝利は、当時の日本国民に大きな勇気と感動を与えた、まさに「日本一」の快挙であった。