村山雅美が隊長を務めた第9次南極地域観測隊越冬隊の極点調査旅行隊は、1968年12月19日に昭和基地から雪上車で出発して52日目に南極点に到達し、「日本人初の南極点到達」という歴史的快挙を成し遂げた。この調査旅行は、単に南極点を目指す冒険ではなく、オゾン、重力、氷床など多岐にわたる科学的観測を目的としたものであった。一行は4台の雪上車を連ね、厳しい寒さとブリザード、クレバスなどの危険と戦いながら、約2600キロメートルの道のりを走破した。この成功は、日本の南極観測技術が世界のトップレベルにあることを証明し、その後の日本の極地研究の発展に大きく貢献した。まさに、科学的探求心と不屈の精神が成し遂げた「日本一」の極地探検であった。