日本記録名
日本で最も古いコンクリート打ち込み工法トンネル
日本記録保持者名
松坂隧道
日本記録数値
1921年
日本記録名(英語)
Oldest concrete pouring method tunnel in Japan
日本記録保持者名(英語)
Matsuzaka Tunnel
1921年(大正10年)、徳島県海部郡牟岐町に竣工した松坂隧道は、型枠にコンクリートを直接流し込む「コンクリート巻き立て」工法が用いられたトンネルとしては、現存する日本最古のものである。このトンネルは地域の交通網整備の一環として建設されたが、その工事は困難を極めた。地質が脆弱であったため、総工費の3分の1以上がこのトンネル建設に費やされたと言われている。当時の土木技術の粋を集めて完成させたこの隧道は、日本のトンネル建設史における重要な技術的転換点を示す遺産である。東側の坑口に刻まれた当時の知事による「道通天地」の銘は、この難工事の完成が地域にもたらした喜びと、天地を貫いて道を開いた先人たちの偉業を力強く物語っている。