1989年、JR四国は鉄道総合技術研究所と共同で開発した2000系気動車を登場させた。これは、カーブにさしかかるとコンピュータ制御で車体を強制的に傾け、遠心力を打ち消すことで高速走行を可能にする「制御付振り子装置」を搭載した日本初の車両である。特に、エンジンで走行する気動車にこのシステムを実用化したのは世界初の快挙であり、技術的な課題を克服した画期的な車両であった。カーブ区間が多い四国の路線において、所要時間を大幅に短縮し、利便性を飛躍的に向上させた。この車両の成功は、全国の在来線高速化のモデルケースとなり、日本の鉄道技術の高さを改めて証明した。