日本記録名
日本で初めての国産教会用電子オルガン
日本記録保持者名
クロダトーン
日本記録数値
1955年
日本記録名(英語)
First domestically produced church organ in Japan
日本記録保持者名(英語)
Kuroda tone
1955年、技術者の黒田一郎が、自らの名を冠した電子オルガン「クロダトーン」を完成させた。これは、当時極めて高価な輸入品しかなかった教会用の電子オルガンとして、日本初の本格的な国産機であった。黒田は、戦後にラジオやテレビの修理業を営む傍ら、依頼された外国製電気オルガンの修理を通じて、その複雑な内部構造を独学で習得。「日本人にも手の届く価格で荘厳な音色を」という強い情熱を胸に、真空管を用いた発振回路の設計から組み立てまで、ほとんど一人で開発を成し遂げた。この一台のオルガンは、個人の探究心と技術力が日本の電子楽器産業の扉を開いたことを示す、記念碑的な製品である。