株式会社島精機製作所の創業者である島正博は、1964年に日本初となる全自動手袋編機を開発した発明家である。それまで手作業に頼る部分が多かった手袋の生産工程を、この機械は完全に自動化し、生産性を劇的に向上させた。この発明は、月に100台以上も売れる大ヒット商品となり、島精機製作所の礎を築いた。彼の功績は手袋編機にとどまらず、後にアパレル業界に革命をもたらすコンピュータ横編機やデザインシステムの開発へと繋がっていく。一つの課題解決への情熱から生まれたこの全自動手袋編機は、日本のものづくり技術の高さを世界に示す先駆けとなった。