1878年（明治11年）、アメリカ留学から帰国した鉄道技師の平岡凞によって設立された「新橋アスレチック倶楽部」は、組織的に運営された日本初の野球チームである。平岡は、日本に野球を伝えたホーレス・ウィルソンから直接指導を受けた経験を持ち、その知識と情熱を基にチームを結成した。メンバーは主に工部省の鉄道官僚や技術者で構成され、ユニフォームを揃え、本格的な練習や試合を行った。1882年には、駒場農学校との間で日本初の対抗試合を行うなど、その活動は日本の野球の普及と発展に大きく貢献し、後の学生野球の隆盛へと繋がる礎を築いた。