1878年（明治11年）、横浜の外国人居留地にある山手公園内に、5面のテニスコートが造成された。これが日本初の常設テニスコートであり、日本におけるローンテニス（近代テニス）発祥の地とされている。開港後、多くの外国人が暮らした横浜では、彼らによって様々な西洋文化がもたらされたが、テニスもその一つであった。「レディス・ローンテニス・アンド・クロッケー・クラブ」によって作られたこのコートでは、婦人を中心としたプレイヤーたちが試合を楽しんだと記録されている。この山手の丘から始まったテニスは、やがて全国に広まり、日本を代表する人気スポーツの一つへと発展していったのである。