日本で最初に始球式が行なわれたのは、1908年11月22日のメジャーリーグ選抜対早稲田大学野球部の試合だと言われている。投手役を務めたのは、早稲田大学創設者であり、かつて内閣総理大臣も務めた大隈重信で、羽織袴で中折れ帽をかぶった姿でマウンドに立ったと言われている。当時、大隈重信は70歳という高齢で、投げたボールはキャッチャーまで届かず、途中で転がって止まってしまった。このままでは「ボール」判定になり大隈先生に恥をかかせることになると周囲は凍り付いたという。機転を利かせた早稲田大学の打者が、空振りをしてストライクにした。このことが始まりで、始球式ではバッターは空振りをするということが通例になったと言われている。