1951年に岐阜県に架けられた長生橋は、日本初のプレストレストコンクリート（PC）技術を用いた道路橋である。このPC技術は、コンクリートにあらかじめ圧縮力を加えておくことで、強度と耐久性を飛躍的に高める画期的な工法であった。戦後の復興期において、より強く、より経済的な橋梁建設が求められる中、この長生橋の成功は、その後の日本の橋梁技術の発展に大きな影響を与えた。現在は役目を終え、公園に移設されているが、日本のPC橋の原点としてその技術的価値は非常に高い。まさに現代日本のインフラを支える数多の橋梁の先駆けとなった、日本初の記念碑的建造物なのである。