栃木県那須塩原市にある八汐ダムは、堤高90.5メートルを誇る、アスファルトフェイシングフィルダムとしては日本一の高さを誇るダムである。このダムは、揚水式水力発電所の下池である蛇尾川ダムに対して、上池として機能している。岩石を積み上げた堤体の表面をアスファルトで舗装するこの形式は、耐震性に優れ、地形への適応性が高いという特徴を持つ。その壮大なスケールと技術力の高さは、日本のダム建設技術の先進性を示すものであり、完成当時はこの形式で世界一の堤高であった。まさに日本の土木技術の粋を集めた、日本を代表する巨大建造物なのである。