日本の気象観測史上、最も深い積雪を記録したのは、1927年2月14日に滋賀県の伊吹山で観測された11m82cmである。この記録は、当時山頂にあった伊吹山測候所によって測定されたもので、日本の気象史における最深積雪記録として今なお破られていない。日本海からの湿った空気が伊吹山地の西側斜面にぶつかり、大量の雪を降らせるという、この地域特有の気象条件が生み出した驚異的な記録である。この数値は、世界の山岳気象観測史上でも屈指の記録であり、日本の冬の厳しさと自然の力を象徴する、まさに日本一の豪雪記録と言える。