2002年（平成14年）に長崎市に開通した「グラバースカイロード」は、日本で初めて公道として整備された斜行エレベーターである。坂の街・長崎特有の急峻な地形に暮らす住民の移動負担を軽減するために、道路法に基づいた「通路」として設置された。斜面に沿って斜めに昇降するこのエレベーターは、地域のバリアフリー化に大きく貢献すると同時に、観光客にとってもグラバー園への便利なアクセスルートとなっている。公共交通の新たな形を示したこの取り組みは、全国的にも珍しく、まさに日本初のユニークな公道として長崎の街の風景に溶け込んでいるのである。