1927年（昭和2年）、宝塚少女歌劇団（現・宝塚歌劇団）は、兵庫県の宝塚大劇場で『モン・パリ』を上演した。これは、歌、音楽、ダンス、寸劇などを組み合わせた華やかな舞台形式である「レビュー」を日本で初めて本格的に上演したものであった。作・演出を担当した岸田辰彌がフランスで本場のレビューを研究し、そのエッセンスを日本の観客向けにアレンジしたこの作品は、大階段などの斬新な舞台装置や主題歌のヒットも相まって、空前の大成功を収めた。この成功により、宝塚歌劇団は「レビューの宝塚」としての地位を不動のものとし、日本のエンターテインメント界に新たなジャンルを確立した。まさに日本初のレビュー上演は、日本の舞台芸術史における革命的な出来事であった。