徳島県鳴門市にある大塚国際美術館は、常設展の入館料が一般当日券で3300円（2024年時点）と、日本の美術館の中で最も高額な料金設定となっている。この「日本一」高い入館料には理由がある。この美術館は、世界中の古代から現代までの西洋名画1000点以上を、大塚オーミ陶業の特殊技術によって原寸大の陶板で忠実に再現して展示している、世界でも類を見ない「陶板名画美術館」なのである。レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』の修復前と修復後を同時に見比べたり、システィーナ・ホールの壁画を原寸で体感できたりと、その鑑賞体験は唯一無二のものである。広大な展示スペースを誇り、全ての作品を鑑賞するには一日では足りないと言われるほどの充実した内容が、この価格設定を納得させている。