宮崎県日南市の大島に立つ鞍埼灯台（くらさきとうだい）は、1884年（明治17年）に建設された日本最古の無筋コンクリート造りの灯台である。鉄筋を使わずにコンクリートだけで造られた灯台としては、日本で初めての試みであった。灯塔が12角形という珍しい形状をしており、その歴史的・技術的価値から、国の登録有形文化財にも登録されている。太平洋戦争中の空襲で被害を受けながらも修復され、現在も日向灘を航行する船の安全を見守り続けている。無筋コンクリート造りの灯台としては、まさに日本一の古さを誇り、日本の灯台建設の歴史を語る上で欠かせない貴重な存在である。